ReReRe Renovation!

若手陶芸家を全力で応援。
ギャラリー併設のシェアハウス

アーティストレジデンス/CHAUSE 静岡県熱海市

CHAUSEってどんなところ?

戸井田 雄

Writer戸井田 雄

「Chause」とは熱海市渚町にある吉野屋商会をリノベーションして生まれた「住むだけじゃない、つくって・売れる、手仕事のための家」です。若手陶芸家のための住宅・ショップ・イベントスペースを備えた建物(母屋)と、陶芸用のアトリエの二つで構成され、今もリノベーションとワークショップが展開されています。75平米ほどの2階建の母屋は1階がイベントやショップに使えるスペースとキッチン、2階に3部屋の居室があります。それより広いアトリエには陶芸用の窯が入ります。

 

chauseのコンセプトは「大切を紡ぐ家」。作り手の顔が見える器を使うことから食器をはじめモノを大切にしたり、器に合わせて新しい料理にチャレンジしたり。いつもの日常がちょっとだけ豊かに、ただただ過ぎ去る日常をちょっとだけ慈しむことができるようなきっかけを提供できる場所。そんな場所を目指しています。

 

そして、若い陶芸家の活動も大切にしたい。地元の飲食店や旅館に彼らの作品を知ってもらう機会をつくり、地元飲食店と連携したワークショップやイベントを開催して一般の人にも知ってもらう可能性を模索しています。

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CHAUSEができるまでのストーリー

STEP 01 chauseが「茶田さん家」だった頃

11人の家族が暮らし、
知らない人まで出入りしてた賑やかな家

もともと商店だったchauseの昔の外観。ここに多くの人が出入りしてにぎわっていた。渚町のいまは閑散としているが、昔はお祭りも子どもが多く参加していた。

chauseは熱海市渚町にあります。この渚町は、熱海が新婚旅行先のブームになる前から飲食店や生鮮食料品の店が建ち並び、最盛期には日活の映画館やローラースケード場までありとっても賑わった場所でした。今ではその賑わいもなく寂れてしまいましたが、当時の面影を残す木造の小さな建物が密集した地域です。

吉野屋商会はそんな渚町に材木屋として昭和20年代に建てられました。吉野(奈良)の材木を販売していたことことから店名は「吉野屋」に。オーナーの茶田さんのお祖父さんが一人でお店を始めましたが徐々に家族が熱海に移り、多い時は11人もの家族に、ご近所や知らない人までが出入りするような賑わった家だったそうです。

その後、茶田さんのお父さんが割箸の卸業に事業を変え、今では割箸だけでなく紙エプロンなどの消耗品全般を熱海の飲食店や旅館に卸す事業になりました。その変化の中で、家族もしだいにそれぞれの家を持ち、茶田さんの家も隣町に移り、会社の本社も別のまちへに移っていきます。誰も住まなくなった家は、茶田さんの会社が取り扱う商品の袋詰めなどの作業場と倉庫として使われていました。

STEP 02 リノベーション・スクールの課題物件に

つながりから見つけた
「器作家(陶芸家)」というキーワード

リノベーション・スクールで同じチームになったメンバーとはスクールが終わっても毎日chauseの進捗をやりとりするまでの結束が生まれた。オーナーの茶田さんともミーティングを重ねた(撮影:リノベーション・スクール)

もともと使う場所も限られていたので、空いている場所をNPO法人atamistaのインターンの住まいとして貸していたご縁や、オーナーの茶田さんも熱海でイベントを主催しており、熱海の街が元気になって欲しいという思いもありました。リノベーションスクールへの参加を決めたとのお話でしたが、最初は茶田さんも「何か使えるなら、どうぞ」といった程度の軽い感じで考えていたそうです。

茶田さんとしては、実はアクセサリーを作っている娘さんのスペースになるのではと予想してたそうですが、プレゼンで提案されたのは「器作家が暮して・つくって・売れる場所」。茶田さんにとっては予想外の提案でしたが、ユニットメンバーにも想定外だったのは、なんとプレゼン後のオーナーからのコメントで茶田さんから「あの家に住んでいた母が、生前の最後にやりたいと言っていたのが陶芸だった」とのお話がありました。

渚というエリアと吉野屋の建物、そしてユニットメンバーのつながりで見つけた「器作家」というキーワードでしたが、地域と建物との不思議なご縁を感じながら、その場でこのプロジェクトの実施が決まりました。

STEP 03 動き始めた現場の中で

茶田さんの悩みと
コアメンバーの選定

自分たちでできないところはプロに頼んで。あすなろ工務店さんによるリノベーションの作業にほれぼれする。床はりなどはワークショップ形式にしてみんなで作業した。リノベーションスクール後も10人近いメンバーが関わり続けている(撮影:すべてchause)

ただ、やはりプロジェクトが進めば悩みも生まれるもの。オーナーの茶田さんは、自分が育った大切な家だから思いが強いものの、動いてくれるメンバーに気を使って言えなかったり。facebookにつくったグループページに相談を書き込んでも、誰も返事をくれず悩んでしまった時期もあったそうです。

そんな時にユニットメンバーの一人から「オーナーの思いは、はっきりと伝えてほしい」と言われ、茶田さんの心も決まります。リノベーションのプランがこうして吉野屋にしっかりと根を張り始めました。

chauseはリノベーションスクールのメンバーのほどんどが事業化後も関わりをもち続け、今も約10人のメンバーが動いています。なかでも事業スピードを上げるため5人のコアメンバーを選定し、ハード(リノベーション)とソフト(コンテンツ)にチームを編成して動く中、生まれたのが「大切を紡ぐ家」というコンセプト。

STEP 04 予想外の連続

やればやるほど生まれる
「追加の仕事」と「新しい出会い」

コンテンツ担当のメンバーで多治見に現地視察にいくことも。現場に置かれたchauseの図面。これを日々見ながら作業を進めた。余っていた足場板をchauseで活用する(撮影:すべてchause)

リノベーションに関わった誰もが感じるでしょうが、プロジェクトが動きだすと予想外のハプニングばかりおきます。

耐震診断をすると補強が必要とわかったり、いざ窯を選びだすと電気・ガス・灯油などの燃料によって違いがあるのにchauseには電気炉しか置けず、しかも床の補強工事が必要になりました。天井を外すと現れた電気配線に対応するため、せっかく仕上げた壁を外すはめになったり。古くて使われていないはずの配線を切ると、外に置いた自動販売機が止まってしまったり。。。まだまだたくさんの想定外がありました。

もちろん嬉しい予想外もたくさんあります。そのひとつが、作業が進むうちにメンバーがどんどん陶芸の世界にはまったこと。岐阜の多治見や瀬戸・名古屋、東京のギャラリー、横浜の陶芸イベントに足を運んで、若手陶芸家との関係をきずきました。そして、プロジェクトへのアドバイスや参考になる場所・企画を紹介してもらって関係の輪を広げることができました。

STEP 05 chauseのこれから

chauseの具体的な活動を見て、
参加したいと思う方はいませんか?

先日行われた精進料理教室の風景。みな和気あいあいと楽しんだ。オーナーの茶田さんは音楽イベント(あたぶらないと)を主催。お披露目会にはコーヒーと器のワークショップを開催した。(撮影:すべてchause)

まだ細かい施工も残されており、コンテンツも完全ではありませんが、ほぼリノベーションは完了しました。あとは入居者が決まり次第、陶芸用の窯を導入して本格的に稼働する事になります。

今でも、つながりもしっかりと大切に紡ぎたいといろんなイベントが開催されています。これまでにメンバーが出会った陶芸家の器でコーヒーを楽しむワークショップや精進料理教室を開催。ギャラリーでは興味を持った方の作品を販売したり、オーナー茶田さん催のライブコンサートを開催して多くの人をchauseに招き、住んでくれる人を待っています。

こんなchauseに来てみませんか??

chauseでは「コンセプトに共感し、熱海で暮しながら創りともに学べる陶芸家さんと、陶芸家ではないけれとchauseの活動に関心を持って関わってくれる、陶芸と街を楽しめる人を募集しています。いつでもご案内しますので、まずは熱海のまでふらりと遊びに来ませんか?

戸井田 雄

Writer

戸井田 雄

1983年横須賀生まれ、熱海在住。「日常で見落とされるコトの発掘」をテーマに美術作家として活動しながら、美術・街・建築の間にある何とも言 えない領域を熱海での生活を通じて模索中。展示会の運営(http://konryu-onsen.com)やSocial Startup Accelerator Program(http://www.susanoo.etic.or.jp)に関わり七転八倒しながら迷走を続けても生きてるのは、きっと温泉と人情 のおかげです。

アーティストレジデンス

CHAUSE

2016.3.30更新

  • 住所

    静岡県熱海市渚町17-6

  • TEL

    090-6958-9238

  • OPEN

    chause(2015年5月23日(土)オープン)

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