ReReRe Renovation!

クリエイターと街をつなぐ。
北九州初のコワークスペース

シェアオフィス/MIKAGE1881 福岡県北九州市

MIKAGE1881ってどんなところ?

小倉駅から徒歩7分。魚町の隣にあるみかげ通りに面した松永ビル。エレベーターで5階へ上がると、気持ちよい日ざしと、シックな赤いソファーが迎えてくれた。ここは2012年10月に誕生したコワーキングスペース「MIKAGE1881」です。7つのシェアオフィスと、フリーアドレススペースからなる空間。

 

シェアオフィスに入居するのはWebデザイナー、エンジニア、イラストレーター、ウェディングプランナー、スマホアプリ開発、環境コンサルタントなど。仕事の多様性をいかして、入居者間でプロジェクトを進めることも出てきました。フリーアドレススペースはマンスリーと1日利用が可能です。

 

北九州初のコワーキングスペースということもあり、まちの人からの注目も高いプロジェクトでした。共感をした不動産オーナーの方からの出資も。ソファーや机といった備品の寄付もたくさんいただきました。

 

今後は、入居者の持つ専門性と商店街がいかにつながっていくかも考えているようです。

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MIKAGE1881ができるまでのストーリー

STEP 01 こんな場所からはじまった

眺めもアクセスも抜群、
なのに15年間空いていたフロア

魚町商店街の様子(撮影:MIKAGE1881)

北九州市の目抜き通りである魚町銀天街。その隣の大通り「みかげ通り」に、松永ビルはあります。お父さんから事業を継いだのが、女性オーナーの松永 さん。当時6階建てのビルには複数の空きフロアがありました。他は埋まるもののも、どうしても決まらないのが元和食レストランの5階でした。

「飲食店を検討する人が多かったんです。ぜひここでやりたいという人もいましたが、ネックは内装費。スケルトン状態の60坪のフロアでは、費用がかさむんですね」

そ んなときに出会ったのが、魚町で不動産業を営む梯(かけはし)さん。空きビルをリノベーションした「メルカート三番街」のオープニングイベントを訪ねるこ とに。それまでリノベーションという言葉も知らなかった松永さん。けれど、行ってみると発想の面白さとデザインのセンスに魅力を感じたという。

「オーナーとしては、空いているより使ってもらうことで、少しでもプラスになればと思いました。それから、若い人の遊び場だった小倉魚町は、目に見えて高齢化が進んでいました。若い人の居場所をつくりたいと思ったんです」

そうして、2012年2月のリノベーションスクール対象案件となります。

STEP 02 MIKAGE1881のプラン

若いクリエイター向けの
コワーキングスペースに

2013年には、外からゲストを招いてのソーシャルランチも開催(撮影:MIKAGE1881)

リノベーションスクールでの提案を受け、用途がコワーキングスペースに決まると、入居者募集を開始します。説明会を複数回にわたって開催。また頭に浮かんだ人には、直接連絡をとりました。さまざまな専門分野を持つ入居者間で連携が生まれ、仕事につながればという思いもありました。

集まったのはWebデザイナー、エンジニア、イラストレーター、ウェディングプランナー、スマホアプリ開発、環境コンサルタントとさまざま。

2013年の3月からは、一日利用もはじめました。

STEP 03 ビジネスプラン

家守会社を立ち上げ、
周囲からの出資もいただきました

北九州家守舎の4人。左から徳田さん、嶋田さん、遠矢さん、片岡さん

リノベーションを行うには、リスクも伴います。そこで、オーナーさんとともにリスクを負う北九州家守舎(やもりしゃ)を立ち上げます。家守舎とは、民間のまちづくり会社のこと。集まったメンバーは4人。建築家である嶋田洋平さん、北九州でカフェを営む遠矢弘毅さん、そして北九州市立大学准教授の片岡寛之さんと、九州工業大学准教授の徳田光弘さんでした。

立ち上げにあたっては、まちの人の協力が欠かせません。初期投資は400万円ほど(建築工事費400万円、設計料40万円)。そのうち、家守舎の4人が出資を行ったのは230万円。残りの210万円はリノベーションスクールへの共感者、そして「魚町に若い起業家の育つ場所をつくりたい」という思いに共感した魚町の不動産オーナーたちでした。

北九州家守舎はオーナーさんからここを月額5万円で借り、入居者に計30万円で貸し出します。その差額が年間で300万円。そのうち100万円は初期投資の回収、もう100万円はオーナーへ。そして残りの100万円は、北九州家守舎がこれから行うプロジェクトの資金としています。

ちなみに、初期投資の回収期間は4年5ヶ月を予定しています。

STEP 04 MIKAGE1881で起きていること

たくさんの人を巻き込みスタート

オープン半年後に設置した本棚。みんなでワイワイ組み立てました(撮影:MIKAGE1881)

北九州初のシェアオフィスとして、周りからの注目もありました。集まったのはお金だけではありません。実は、設備の多くも寄付によるものです。

興味を持った方からいただいた本と机。MIKAGE1881の顔ともいえる16人掛けのソファーは、魚町で布材料等販売を営む老舗・百万両さんより譲り受けたもの。ミーティングスペースのモニターは入居者が、ホワイトボードは遠矢さん、音響設備は入居者の私物を共用。

施工にあたって、床はセルフペイントを行いました。

思いがけない展開も生まれました。宮崎県出身のSEである仲澤善優さんはMIKAGE1881に入居後、旦過市場(たんがいちば)という場所で「あおぞらスコーン」というお店をはじめることに。また一つ、地域のハブが生まれました。

STEP 05 MIKAGE1881のこれから

まちとつながるオフィスに?

入居者同士が専門性をいかし、MIKAGE1881内で仕事も生まれてきました。

オーナーの松永さんは、今後は商店街との関わりを深めることで、まちのにぎわいにつながればと考えています。

「北九州市自体が高齢化しています。魚町を歩く人は、次第に高齢者ばかりになってきました。もう一度若い人たちが遊びにくるまちになってほしいんです。入居者さんの専門性が商店街とつながると、より面白い流れが生まれると思います。一方で、そうした仕事はお金に結びつきにくいもの。わたしも声はかけたいけれど、ついつい遠慮してしまって」

まずは祭に参加することからはじめるのがよいのかもしれません。松永さんや北九州家守舎のみなさんのように、オフィスとまちとのつなぎ役がいることも、MIKAGE1881の特徴だと思います。

より多くの人に、気軽に立ち寄ってほしいとも考えています。これまではWEB制作者向けセミナーなど、専門性の高いイベントが行われてきました。今後はこちらから、使いかたを提案していきたい。たとえばフリーペーパーを制作する20代の若手たちにミーティングスペースとして貸出し。月に1度は、ゆるやかに飲む日があってもいい。

最後に松永さんから。

「わたし、この場所が好きなんです。ゆったりとした空間に、いい日ざしが入って。長くまちに根づいてほしいです」

オープンを迎えて3年。MIKAGE1881は、これからもどんどん変わっていくようです。

シェアオフィス

MIKAGE1881

2016.3.30更新

  • 住所

    北九州市小倉北区魚町二丁目1番7号ACT松永ビル 5F

  • TEL

    050-3435-0190

  • URL

    http://www.mikage1881.jp/

  • OPEN

    シェアオフィス&マンスリー会員の方は24時間365日/時間貸の方は月〜金10:00~18:00
    (2012年10月オープン)

  • 運営

    北九州家守舎

  • 資本金

    1,580万円(立上げ当初は50万円でした)

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