ReReRe Renovation!

いい街にはカフェがある。
あの人のオススメ本ザクザク

ブックカフェ/ホンバコ 鳥取県鳥取市

ホンバコってどんなところ?

「ホンバコ」では、新しい本とのつながりを提案しています。まず「●●さんオススメの本」が入った木箱を壁一面に積みげたカフェ。好きな席でコーヒーを飲みながら、本を通してその紹介者とつながって下さい。これの本箱をいくつかピックアップし、これから外のイベントにも出張してつながりを増やします。

 

そして、本を読んだら感想をシェアしてください。感想カードが巻末にあります。順に書かれる感想を見るのも楽しいはずです。読み終わった本でも、新しい感想があるかしれません。もう一度手に取ってみて下さい。読んだら終わりではない、新しい本とのつながりを生むのがホンバコです。

 

画像)1階の喫茶部分はゆったりおこもり感が満載。2階は現在は広く使える貸スペースにもなっており、小さな子どもを連れて行けるのでママさん会にも人気だとか。いずれは屋根までデッキを張り出す予定だ(リノベーションスクールプレゼン資料より)

pro2

ホンバコができるまでのストーリー

STEP 01 こんな場所から始まった

昭和レトロな喫茶店の
佇まいとポテンシャルに興奮しスタート

上)築40年を越す上に、8年以上も放置されていたので店内には埃が溜まり黴びた臭いが。しかし、間仕切り壁の不思議な穴や2階天井の立派な梁などポテンシャルの宝庫なことも徐々に発見
左下)2階の和室も壁が低く荒れていてすぐには使えなかった(撮影:岡田良寛)

約10年前から空いてしまったこの店舗。もともとは1970年から36年続いた「AC(Abe Coffeeの略)」という名の喫茶店でした。ご近所の自家焙煎コーヒー豆販売店「阿部珈琲」の阿部高志さんが所有者です。「初めて中に入ったとき、昭和 レトロな喫茶店の椅子と、歪んだ楕円穴の壁に興奮しました。絶対に残したいと思ったんです」と語るのは、ホンバコ店長の岡田良寛さん。

「2 階は喫茶店の従業員が泊まる和室でした。天高が2m弱(普通は2.5mほど)と低いので、とりあえず天井を抜くと重厚な丸太の梁が出てきてまたもや大興 奮」。さらに、開かずの窓をこじ開けると、南向き日当り抜群な屋根に直結していると判明。「あまりの気持ち良さに、みんなで上でお弁当を食べました」と か。

岡田さんたちは、「こんなお宝が8年も眠っていた」ことに驚きますが、もともと阿部さんは建壊して更地にするつもりだったそう。阿部さんに許しを得て中をきちんと確認したからこそ、所有者も気づかなかった物件のお宝ポイントが発見できました。

STEP 02 Planning

土地の記憶と、
バックパッカーの経験をつなげた「ホンバコ」

オーナーの阿部さん(左)と、ホンバコ店主の岡田さん。実は阿部さんも昔、「AC」で古本市など本をテーマにしたイベントを定期的に開催していたそう。「ホンバコ」と考えが似ていて再度びっくりしたそうです。(撮影:小野有理)

しかし、実際の使い途は「あれもこれもイケそう」な気がして悩みます。しかし遂に、3つの記憶をベースに「ブックカフェ」が浮かんできました。それは、年月を経ても漂う”コーヒー”の記憶と、同時期に閉店した近所の”本屋さん”、”呑み屋街”の入口という土地の記憶です。

そ してもうひとつ、岡田さんのバックパッカー旅の記憶が加わります。「素敵な街には誰でも気軽に集える場所があって、泊めてもらった家にはその人らしい本棚 がありました。そこで、気軽に集えるカフェと色んな人の本棚を一緒にすると、本当のつながりを生むきっかけになるんじゃないかと」。そんなカフェのある地 域は確かに素敵です。

岡田さん自身の経験とこの場所の記憶、そして、休学中の大学院の退学を考えていた時期。「あなたでなければ、ここでな ければ、今でなければ」というリノベーションスクールの教えにぴったり当てはまったとき、「本で人と街がつながるきっかけを」をコンセプトにしたブックカ フェ『ホンバコ』は動き出しました。

STEP 03 ビジネスプラン

貯金1万円ちょっと。
なのに費用は600万円!?

左)事業としてちゃんとやっていけるのか、リノベーションスクールで夜を徹して議論した
右)クラウドファンディング(ready for)で無事、目標金額を達成した瞬間をぱちり。記念にとっているそう(撮影:岡田良寛)

いよいよ実業化に向けてスタートを切った岡田さんたち。しかし、すぐに問題に直面します。それは、資金繰り。当時の岡田さんの全財産は、たったの『約10,000円と82ドルと63,000ドン』。なのに、初期費用だけでも約600万円が必要でした。

そ こに現れたのが、岡田さんと同じくリノベーションスクール後に地元の若者3人が結成した「鳥取家守舎(リンク)」。彼らは出資と事業リスク分担など全面的 にバックアップ。走り出す皆の熱意に、オーナー阿部さんも「どうせ建て壊すにもかかるから」と出資を決めます。最後に不足した50万円はクラウドファン ディングで集め、なんとか600万円を捻出しました。

「クラウドファンディングでは資金集めと同時に、ファンを募ることができました。カ フェの経営で大事なのはファンの獲得です。プロジェクトを始めるお金と、その継続に欠かせないファンを同時に集めるクラウドファンディングは、僕たちのよ うな小さなプロジェクトととても相性が良いサービスだと感じました。」

STEP 04 開店準備

大掃除に空き家bar。
小さなことでも参加すると街が変わる

左)鳥取家守舎の一人で本職は家具・内装職人の本間さんが、壁紙貼りのワークショップを開催
右)工事中のお昼はみんなでワイワイ持ち寄ったものを食べたり(右)。それも楽しい思い出だ。(撮影:岡田良寛)

改修は「ワークショップ」にして仲間や街の人と一緒に進めました。大掃除や壁紙剥がし、ペンキ塗り、天井解体や本箱作りなど、延50人が参加した日 も!作業が終わるとそこで『空き家BAR』をopen。参加者持ち込みの飲食物を一皿300円で提供し収益は改装費に回します。「全員でどんちゃん騒ぎし て、楽しみながらホンバコの応援をしてくれました」。

「僕らのプロジェクトは小さいですが、楽しみながら主体的に街と関わる人を増やしたく て」意識的に開いたワークショップや空き家BAR。掃除を10分でも手伝う、ささやかな差入れを持ち込む、300円のドリンクを買う。誰でもできる小さな ことが、街と関わるきっかけになる。そしてそれは楽しい方がいい。

「街を盛り上げるって、結局住んでいる人がやるしかない。」だから、人任 せじゃなくて、自分で出来ることからやってみる。すると、自分だけじゃなくみんなと一緒だから楽しくなる。そう感じる人を増やしたくて、それが街を変える と信じて、小さなきっかけを提供していきました。

STEP 05 スタート!

思い立ちから半年、
奇しくもスターバックスと同日にopen

上)オープンしたホンバコ。バーカウンターに面した壁にはたくさんの本箱が積み上がっている。それぞれの本箱に貼られたポップを見るのも楽しい。
左下)夜になると地元の若者が集う。カウンターで立ち飲みしたり奥のカフェで話し込んだり。⑦訪れた夜は大盛上り。「この通りにこんなに若い人が戻ってくるとは」と阿部さんも心底嬉しそうだった
右下)本箱を抜けた奥にあるカフェ店内。ゆったりした時間が流れる。(撮影:小野有理)

2015年5月23日(土)にBook Cafe ホンバコがオープン!当初は8月頃を考えていましたが、プロジェクトスタートから半年以上かけると、街へのインパクトが薄まり間延び感が出るとスピードに こだわりました。そして、きっかけを得たリノベーションスクールからぴったり半年後に無事オープンしたのです。

実は想定外の出来事も。全国 最後の出店県として鳥取に乗り込んで来たスターバックスと、まさかの同日オープン。「あえて重ねたの?」という勘違いもありましたが、「そのおかげか話題 になることも増えたし、スタバに対抗して応援者の人たちが行列を作ってくれました。本当に感謝しています。」

当面の目標は、まずはしっかり継続すること。「人が自然と集まり、その人たちがつながり、それが街に波及していくことで、鳥取の街が楽しく面白くなるよう、これからも多くの人を巻き込んでいこうと思います」と話す岡田さんのまなざしはもう未来を見ています。

ブックカフェ

ホンバコ

2016.11.28更新

  • 住所

    鳥取県鳥取市末広温泉町154

  • TEL

    0857-50-0573

  • URL

    http://honbako-tottori.com/

  • OPEN

    12:00~23:00(金土は ~24:00)、日曜定休

ページトップへ